こんにちは!今回は、ネットワーク技術の基礎としてよく登場する「NAT」と「NAPT」について、わかりやすく解説していきます。
どちらも、インターネットと自宅や社内のネットワークをつなぐための重要な技術ですが、名前が似ているうえに、細かな違いも多く、混乱しやすいところです。
基本情報技術者試験でもよく出題されるので、この記事でしっかり整理しておきましょう!
NATとは?(Network Address Translation)
まず「NAT」ですが、これはプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを相互に変換する仕組みです。
🔹 どんなときに使う?
主に以下のようなケースで使われます。
- 社内ネットワークのパソコンやサーバーを、インターネットに接続させたい
- 社内サーバーをインターネットからアクセスできるように公開したい
このとき、プライベートIP(例:192.168.0.1)をグローバルIP(例:203.0.113.5)に変換して、通信できるようにするのがNATです。
🔹 NATの特徴
- IPアドレスだけを変換する
- 基本的に1対1の変換
- ルーターやファイアウォールで実行される
- 一般的には「静的NAT(スタティックNAT)」と呼ばれるタイプ
NAPTとは?(Network Address and Port Translation)
一方で「NAPT」は、NATの発展版とも言える技術です。NATとの違いは、「ポート番号も一緒に変換する」ことです。
🔹 どんなときに使う?
- 家庭やオフィスの複数のパソコンが、1つのグローバルIPを使って、同時にインターネットに接続したい
こんなときに使われるのがNAPTです。
例えば、スマホ・ノートPC・プリンタなどが1つのルーターにつながっていても、同時に外部と通信できるのは、NAPTのおかげなんです。
🔹 NAPTの特徴
- IPアドレスとポート番号の両方を変換する
- 1対多の変換が可能(複数端末をまとめられる)
- 「IPマスカレード」や「PAT(Port Address Translation)」とも呼ばれる
- 家庭用ルーターで最も使われている方式
NATとNAPTの違いを表で整理
項目 | NAT | NAPT |
---|---|---|
変換するもの | IPアドレス | IPアドレス + ポート番号 |
同時通信数 | 基本1台 | 複数台同時に通信可能 |
通信の対応関係 | 1対1 | 多対1 |
主な利用場面 | サーバーの外部公開 | 家庭や社内の複数端末からのインターネット接続 |
別名 | ― | IPマスカレード / PAT |
試験で出るポイントまとめ
- NAT:IPアドレスだけを変換 → 主に1対1
- NAPT:IP + ポート番号を変換 → 複数端末から同時に通信できる
- 「1つのグローバルIPで複数の内部端末を同時に接続する技術は?」→ 正解:NAPT
まとめ
NATとNAPTは、ネットワークの基礎を理解する上で非常に重要な技術です。
特にNAPTは、家庭や会社のネットワークで当たり前のように使われているものであり、これがなければ今のインターネット生活は成り立たないほどです。
基本情報技術者試験では、「変換するのはIPだけ?ポートも?」「同時に何台接続できる?」といったポイントを問われます。
違いをしっかり理解して、試験対策に役立ててくださいね!