Objective-Cとは、C言語にオブジェクト指向機能を追加したプログラミング言語です。AppleのmacOSやiOSなどのアプリケーション開発に広く使われています。Objective-Cは、C言語の基本構造をベースにしており、そこにSmalltalkというオブジェクト指向言語が取り入れられています。Objective-Cは、動的型付けやメッセージパッシングといった柔軟な特徴を持ち、インタプリタに近い記述力をもつことができます。
Objective-Cは、2014年に発表されたSwiftという新しい言語に取って代わられつつありますが、まだまだ現場で需要がある言語です。Objective-Cでできることは多岐にわたりますが、今回はその中から10個を紹介します。
1. iOSアプリを開発する
Objective-Cは、iPhoneやiPadなどのiOSデバイスで動作するアプリケーションを開発することができます。Objective-Cは、Appleが提供するXcodeという統合開発環境やCocoa Touchというフレームワークと相性が良く、UIやネットワーク、カメラやGPSなどの機能を簡単に利用できます。Objective-Cで開発されたiOSアプリの例としては、LINE¹やInstagram²などがあります。
2. macOSアプリを開発する
Objective-Cは、MacBookやiMacなどのmacOSデバイスで動作するアプリケーションを開発することができます。Objective-Cは、XcodeやCocoaというフレームワークと相性が良く、macOSの標準的なUIやファイルシステム、メニューバーやドックなどの機能を簡単に利用できます。Objective-Cで開発されたmacOSアプリの例としては、Evernote³やSkype⁴などがあります。
3. Apple Watchアプリを開発する
Objective-Cは、Apple Watchというスマートウォッチで動作するアプリケーションを開発することができます。Objective -Cは、WatchKitというフレームワークと相性が良く、Apple Watchの小さな画面やタッチ操作、センサーや通知などの機能を簡単に利用できます。Objective-Cで開発されたApple Watchアプリの例としては、Nike+ Run ClubやShazamなどがあります。
4. ゲームを開発する
Objective-Cは、ゲーム開発にも使われることがあります。Objective-Cは、OpenGLやMetalというグラフィックスAPIやSpriteKitやSceneKitというゲームエンジンと相性が良く、2Dや3Dのグラフィックスやアニメーション、物理演算などの機能を簡単に利用できます。Objective-Cで開発されたゲームの例としては、Angry BirdsやCut the Ropeなどがあります。
5. ライブラリやフレームワークを作成する
Objective-Cは、ライブラリやフレームワークを作成することもできます。Objective-Cは、C言語のライブラリやフレームワークをそのまま利用できるだけでなく、自分で新しいライブラリやフレームワークを作成することもできます。Objective-Cで作成されたライブラリやフレームワークの例としては、AFNetworkingやReactiveCocoaなどがあります。
6. テストを実行する
Objective-Cは、テストを実行することもできます。Objective-Cは、XCTestというテストフレームワークやOCMockitoというモックフレームワークと相性が良く、単体テストや結合テストなどの機能を簡単に利用できます。Objective-Cでテストを実行することで、コードの品質や安全性を高めることができます。
7. スクリプトを書く
Objective-Cは、スクリプトを書くこともできます。Objective-Cは、Objective-C Scripting Bridgeという機能を使って、AppleScriptやJavaScriptなどのスクリプト言語から呼び出すことができます。Objective-Cでスクリプトを書くことで、macOSのアプリケーションやシステムの操作を自動化したり、Webサイトの操作を簡単にしたりすることができます。
8. 拡張機能を作成する
Objective-Cは、拡張機能を作成することもできます。Objective-Cは、App Extensionという機能を使って、iOSやmacOSの標準的なアプリケーションに自分のアプリケーションの機能を追加することができます。Objective-Cで作成された拡張機能の例としては、1PasswordやEvernoteなどがあります。
9. マルチスレッドプログラミングを行う
Objective-Cは、マルチスレッドプログラミングを行うこともできます。Objective-Cは、Grand Central Dispatch (GCD) やNSOperationQueueという機能を使って、複数の処理を並行して実行することができます。Objective-Cでマルチスレッドプログラミングを行うことで、パフォーマンスや応答性を向上させることができます。
10. メタプログラミングを行う
Objective-Cは、メタプログラミングを行うこともできます。Objective-Cは、リフレクションやカテゴリやスワイズリングといった機能を使って、プログラム自身の構造や振る舞いを動的に変更することができます。Objective-Cでメタプログラミングを行うことで、柔軟性や拡張性を高めることができます。
まとめ
Objective-Cは、C言語にオブジェクト指向機能を追加したプログラミング言語です。Objective-Cは、AppleのmacOSやiOSなどのアプリケーション開発に広く使われていますが、それだけではなく、ゲームやライブラリやスクリプトなど様々なことができる言語です。Objective-Cは、Swiftという新しい言語に取って代わられつつありますが、まだまだ現場で需要がある言語です。Objective-Cの魅力に触れてみませんか?
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